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あなたは「対話型鑑賞」を知っていますか?
対話型鑑賞(VTS)とはアート作品をじっくりと観て、他者との対話を行いながら深めていく鑑賞方法です。
じっくり1つの作品を観ながら意見を出していくため、美術館でほんの数秒立ち止まって作品を観た時よりも、より深く作品を楽しめます。
今回はそんな対話型鑑賞にオンラインで参加したレポートを書いていきます。
今回観たのは3つの作品でしたが、その中でも気に入った作品を1つ取り上げます。
作品のタイトルや作者は後でお伝えするので、あなたも対話型鑑賞に参加したつもりで読んでみてくださいね。
今回はこの作品です。
私は初め、この作品を観て「男女がお互いに夢中でウェイターにも気づいていない様子」を表していると感じました。
また、この場所はカジュアルなお店というよりは、少し高級感のある印象です。
最初は「デートをしている」という意見が同じようにあったのですが、途中で「男性が女性を口説いているのでは?」という意見が出ました。
それを踏まえて観てみると、男性は微笑みかけているように見えますが、女性はそれを冷たい視線で返しているようにも感じてきました。
また、男性は女性の椅子に腕をかけていますが、女性は腕をテーブルに置いて小さくなっているように見えます。
そして少しこの作品の中で目立っているのは、後ろにいるウェイターの存在です。
初めは2人の方を見ているのかと思っていましたが、他の方の意見で「作品を観る私たちに視線を送っている」というものがありました。
客の様子に呆れてしまっているのか、こちら(作品の外)にいる私たちに語りかけてくるかのようです。
「この作品はただ1つのシーンが描かれているのではなくて、作品を観る私たちさえも巻き込む意図があるのではないか?」という意見もありました。
いかがでしょうか。
ちなみに、この作品のタイトルは《ラテュイユ親父の店》といって、エドゥワール・マネによって1879年に描かれた作品です。
作品をただ一瞬眺めるだけでは、なかなかここまで深く観ることはできないと思います。
「なぜこんな風になっているのか」などと考えながら、作品にストーリーをつけるように観ていくと小さな発見が沢山あります。
美術館に訪れた時などに、お気に入りの作品をぜひじっくり観てみてくださいね。
美術館で作品を鑑賞するにはこの本もおすすめです。
今回参加したのは「やわらかミュージアム」さん主催の会でした。
ぜひやわらかミュージアムさんのイベントもチェックしてくださいね!