対話型鑑賞で作品とじっくり向き合うという体験(アートの知識は不要!)

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あなたは「対話型鑑賞」を知っていますか?

対話型鑑賞(VTS)とはアート作品をじっくりと観て、他者との対話を行いながら深めていく鑑賞方法です。

「美術館に行っても1つの作品を眺めている時間は数秒」という人は多いかと思いますが、対話型鑑賞では複数人で対話をしながら1つの作品の鑑賞に20~30分かけることもあります。

今回は、そんな対話型鑑賞を「アート対話カフェ」さんでオンラインにて実践してきたので、そのレポートを書いていきます。

対話型鑑賞では、主に3つの問いかけから作品を鑑賞しました。

1つ目「この絵では何が起きていますか?」(意見)

2つ目「絵のなにを見てそう考えましたか?」(根拠)

3つ目「他に発見はありますか?」(視点を変える)

今回の対話型鑑賞では、まず作品をじっくりと観る時間があり、その後参加者の複数人で自分の意見をそれぞれに発言していきました。

鑑賞したのは《逃げたスペード》という泉茂さんの作品でした(作品はこちらに載っていたので探してみてください!)

ちなみに、タイトルや作者は鑑賞が終わった後にファシリテーターの方に教えてもらいます。

トランプやサイコロ、チェスなどでできた人間のようなものが、糸に絡まって暗い場所を歩いていると思われる姿が描かれています。

私はこの絵を観て、「ゲームに支配された人を表している」「この人はゲームに憑りつかれて、世の中を支配しに向かっている」というのが最初の意見でした。

他の方の意見には「トランプの王様が逆だから戦争を表している」「ギャンブル依存などを表している」「サイコロが頭になっていて人間の単純さを表している」などというものがありました。

その後私は「氷のような場所の上を歩いているから、すぐ転ぶという危うさを表している」という考えを持ちました。

このように、次々と参加者が意見を言うことで、この絵をただ観るときよりも深く鑑賞できるのです。

自分1人では思いつかないような意見がたくさん出てきて、いろいろな視点から鑑賞できました。

その後、簡単に解説を受けたのですが「トランプが描かれている中でスペードだけがない」というポイントに気づけていなかったと分かりました。

《逃げたスペード》というタイトルには、何かの能力や権力を失った人が描かれているのではないかという見解があるそうです。

対話型鑑賞では、専門的な知識を使わずに誰でも理解できる言葉で意見を言い合います。

そのため、アートの知識がない人でも楽しめる鑑賞方法だと言えます。

アート対話カフェさんのホームページに分かりやすくまとめてあるので、ぜひそちらもチェックしてみてください!

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これで対話型鑑賞に興味を持っていただければもちろん嬉しいですが、「自分なりに作品を観ながらストーリーを考えてじっくりと鑑賞するのをやってみたい!」と思ってもらえると嬉しいです。

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