※著者の方に掲載許可をいただいています。
最近購入した詩集『かんむりをのせる』。
私にとって、初めて購入した詩集でした。
詩集というものとじっくり向き合ったのは初めてでしたが、ゆずりはすみれさんの本は「ふわふわと蝶のように舞っている」と感じました。
詩の一部を引用します。
カーテンを透かして
見える町 昨日通り
南向きの部屋の太陽の運行は 順調
ゆるやかに射す
ゆずりはさんの詩は改行や空白によって短く区切られていることで、ワルツのような軽やかさがあるのだと思いました。
特別なことではない、気づかなければ簡単に通り過ぎてしまうような日々を丁寧に掬っているという印象を受けます。
飾らない毎日の描写は多少の切なさを含みながらも、この区切りによってやわらかくなっているような感じがしました。
そして、詩の中で生み出されたリズムは確かに日常を感じさせながら、どこか遠くのお話なのではないかと思えるような曖昧さもあります。
ぜひ、ゆったりと詩の世界に浸りたい方に読んでいただきたいです。
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